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問い 1

そもそも「まち再生」ってなに?

まち再生という言葉は「まち」と「再生」という2つの言葉が合わさってできています。「まち」はみなさんが住んでいる場所を中心に、空間・場所をイメージできる範囲を思い浮かべてみるとわかりやすいと思います。そこには友達の家や公園があったり、コンビニや商店がある人もいると思います。多くは小学校や中学校をその範囲に思い浮かべることができるでしょう。さらには、駅や商店街がある人もいると思います。

神奈川大学の学生にとって身近なまちなか空間である六角橋商店街

住んでいる場所によって様々に異なりますが「まち」とは、生活の基盤、みなさんの目の前に広がっている空間そのものです。また、その空間には、いろいろな人が住み、仕事し、学び、遊んでいます。そして、コミュニティという名の人々のつながりが幾重にも存在しています。このように、人と人が関係しあって「社会」というものが形成されています。

つまり、「まち」は「空間+社会」で成り立っているのです。そしてそれらを再生させることが「まち再生」です。

砺波平野にみられる散居村。農業と生活の有り様が一体となり特徴的な風景を生み出している。

では、「再生」にはどんな意味があるでしょうか。みなさんがイメージするのは、ダメになった状態を大丈夫なものに戻す、というニュアンスが頭をよぎると思います。マイナスをプラスにするという意味ですね。もちろんまちづくりの文脈では、そういう意味合いで使われることもあります。また、古い建造物を修復し、昔の姿に戻すようなこともイメージできるでしょう。しかし、それだけではなく、まちの記憶や特徴、個性を紡ぎ合わせて新しい姿を創造することであったり、歴史を受け継ぎながらより良いものへと進化させ、これまでになかった価値を提示することも「再生」という言葉に含まれている、と我々は捉えます。

再生を経て生まれ変わった南池袋公園。

中世後期、ヨーロッパでは「Renaissance(再生)」という文化芸術運動が起こります。そこでは、神を中心とした秩序から人間を中心とした世界観へと関心が移りました。これは、人間というものの探究を人間自ら行なっていくような時代であり、その過程において、昔の芸術を再評価し、かつ、新たな芸術表現を獲得したのです。つまり、過去を見つめ直し、人間という身体を通じて今を考え、未来に向かって何かをつくっていくこと、あるいは、投げかけていくことが「再生」という意味には込められているといえます。

ひるがえって、今の「まち」を考えるとどうでしょうか?少子高齢化、それに伴う人口減少、そして、空き家の問題もあります。また、コロナをはじめとした感染症の恐怖、戦争や移民といった世界情勢、そして経済への影響などグローバル(世界)で起こっていることがローカル(まち)に直接的に結びつく時代であり、それら対応すべき課題は「まち(=空間+社会)」にあふれています。そのような時代だからこそ我々は、建築単体にとどまらず、広く社会と空間からなる「まち」にアプローチし、その課題を捉え、あってほしい未来へと「再生」を試みているのです。

この問いを書いた人

まちづくり研究室

上野正也 准教授

人に学び、地域に学び、まちの未来を描く。
まちづくり研究室
まちづくり, エリアマネジメント, 住民参加型ワークショップ, 文化都市政策

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